相続対策会議だけで家族仲が悪くなることも
沖縄県那覇市の税理士、渡嘉敷です。
両親が元気なうちに相続対策を・・・と考えがちですが、失敗する場合も少なくありません。
遺言を書かせようとすると、親は「自分が死ぬ」前提で話が進むわけですので複雑な気持ちになる人も多いです。
結果的に遺言は書いてくれず、親子の関係もぎくしゃくしてしまった・・・というパターンです。
また、相続の本やパンプレットを読んでもらうとか、ご近所の相続事例を話題にするという作戦もありますが、これまた下心を見透かされてしまいます。
では、どうしたらいいのか?
私のクライアントで、変化球ではなく直球勝負でいい結果になった方がいらっしゃいます。
「変な話で申し訳ない」と前置きした上で真剣に相続の話をしたことで親も理解してくれたそうです。
そして、話し合いは一回では終わらないので普段から相続の話をするようになったとのこと。
お盆や正月で家族全員が集まった時に、お母さんが相続の話をするようになって方針を繰り返し話しているとか。
顔を合わせる度に繰り返すのはいいですね。
一回聞いただけでは忘れてしまう場合もありますし、納得できない場合は自分の中で「保留」してしまい、いざ相続が開始されたら争いになってしまうこともあります。
日頃から「うちの相続はこうする」ということをはっきりと親が子に伝えて、それに不満があればまた話し合う、ということをしていると相続争いになることは少なくなるようです。
新しい相続「配偶者居住権」
沖縄県那覇市の税理士、渡嘉敷です。
民法の相続に関する40年ぶりの改正が、参院本会議で成立しました。
今回の改正の目玉はずばり!「配偶者の優遇」ということになります。
具体的に何が優遇されるかというと「配偶者居住権」が創設されたことですね。
配偶者居住権とは、配偶者が一生自宅に住み続けられる権利のことで、「所有権」とは分離された権利になります。
今までは、所有権を持っている人がその建物に住む権利も有していたのですが、今回の民法改正で「所有権」と「居住権」を切り離したわけです。
ですので、仮に「所有権」を相続した息子が家を売ってしまったとしても、配偶者は安心して一生住み続けることができるわけです。
相続における遺産分割協議でモメる原因のひとつが不動産の処分なので、今回の民法改正は今後の遺産分割に大きな影響を与えそうです。
また、この「居住権」は所有権とは別に相続税の対象になります。このあたりも考慮して遺産分割しないといけないですね。
さらに、将来この配偶者が亡くなった場合(二次相続)、居住権が消えた分だけ所有権の価値が増加します。
ここに着目して、二次相続発生時に相続税の課税対象となるかどうか?
今後の動向に注目したいところです。
相続税の申告では名義預金に注意
沖縄県那覇市の税理士、渡嘉敷です。
相続税の財産調査の段階で気をつけているのが「名義預金」です。
被相続人(亡くなった人)名義の預金はもちろん、家族名義であっても実質的に誰の預金なのか?をしっかりと検討しなければなりません。
孫名義で預金を作ってお金を貯めておく、というのはよくある話です。
タンスの中から出てきた孫名義の預金通帳を、そのまま孫に渡しておけば税務署には分からない・・・とお考えの方も多いですが、そんなに甘くはありません。
税務署が行う相続税調査の基本として「銀行調査」がありますが、被相続人の預金だけでなく家族名義もすべて調べます。
お金の流れを調べた上で、被相続人の預金からの流れが確認できたら名義預金ではないか?ということで調査対象になるわけですね。
実際の調査では、
・預金通帳はどこで誰が管理していたのか?
・印鑑はどこに保管されていたか?
・銀行に赴いて入出金していたのは誰か?
・入金はどこから来たお金か?
・出金したお金は誰が何に使ったのか?
といったことを調べられます。
この辺はとても詳しく調べます。時には質問と回答を文書にして署名押印を求めてくる場合もあります。
そこまで調べられると、家族名義であっても実際には被相続人の預金であることが言い逃れできなくなるので相続財産に加算されて追徴・・・ということになります。
せっかく被相続人が作ってくれた家族名義の預金ですが、安易に相続財産から外してしまうと後の税務調査で大変なことになります。
その預金の本当の持ち主はだれか?
それは相続人が一番よく知っているはずですので、正直に申告しておきましょう。
e-TAXの認証が新方式になる(マイナンバーカード不要)
沖縄県那覇市の税理士、渡嘉敷です。
以前、検討中ということで紹介したe-Taxの電子証明書が不要になる新方式ですが、正式に発表されたようです。
新方式はふたつあって、ひとつはマイナンバーカード不要の方法です。
現在は自宅のパソコンからの申告ではマイナンバーカードが必要ですが、ご存知の通りマイナンバーカード自体がイマイチ普及してない状況です。
これではe-Taxの利用増加が見込めないと判断したのでしょう。ついにマイナンバーカードとサヨナラです。
税務署で本人確認を行ってIDとパスワードをもらえば、マイナンバーカード不要で申告できるようになります。
これはあくまでも「暫定的な対応」となっていますが、どう考えてもこちらが主流になりそうな気がしますね。
もうひとつの新方式はマイナンバーカードを使う方法です。
今までは利用開始届をしてIDとパスワードをもらっていたのですが、マイナンバーカードを持っていればIDやパスワードなしで申告できるというものです。
利用にあたっては、ICカードリーダ・ライターが必要になります。
どうでしょう?
皆さんならどちらの方法を選びますか?
普通はマイナンバーカード不要の方法を選ぶと思います。だって欲しくもないマイナンバーカードを申請したりICカードを読み込む機械を買ったりしなくていいですからね。
実は、国税庁もその点は織り込み済みで内閣府や総務省への言い訳としてマイナンバーカードを使う方法を残しているのではないか?と勘ぐっているのですが、実際のところはどうなんでしょうね?
所得税のe-Tax利用率は、相談会場のPCを使う人を含めて50%くらいだそうです。
新方式を打ち出したら利用者数が増えるか?微妙なところです。
税理士が積極的にe-Taxを活用すればいいのでしょうが、紙で提出している税理士もまだまだ多いようですし、税理士業界が「電話と郵便とFAX」で動いている状況なので完全な電子化はもうちょっと先になるんじゃないかな?と思ってます。
国税庁が中途採用募集中!
沖縄県那覇市の税理士、渡嘉敷です。
国税庁は8月3日から、30歳以上の社会人経験者の募集を始めるそうです。
インターネットで受付できるようで、8月21日が期限です。
大卒で社会人として8年の経験がある方なら受験資格があるようなので、転職を考えてる方は検討してみてはいかがでしょうか。
国税卒業生の私ですが、いい職場だと思いますよ。
研修制度は充実してるし、福利厚生もしっかりしてます。
クレジットカード作ろうと思えば断られる心配もないし、住宅ローンで断られることもないはず。
病気になれば休めるし、いざというときは長期療養も。
妊娠・出産時の育児休業制度もきちんとしてるので、数年は育児に専念して復帰する職員もたくさんいます。
夫が育児休業する例もあったはず。
年休もしっかり使えるし、夏季休暇もあってブラック企業とは対極の職場環境だと思います。
今年の採用予定者数は約220人だそうです。
1次試験は9月30日。
いかがでしょうか?