相続税の申告では家族名義預金に注意!
相続税の申告漏れは現預金が多い
平成27年の相続税の申告・調査実績によると、相続税の申告者数は死亡した人の約8%だそうです。
この数値は、前年より3.6ポイント増えています。基礎控除が引き下げられたことが影響しているのでしょうね。
さて、相続税の調査件数ですが申告全体の11.6%に調査が行われています。
調査の結果、申告漏れ財産で多いのは現金預金だそうです。一番把握しやすいはずの現金預金なのに、なぜ申告漏れになるのでしょうか?
家族名義の預金が申告漏れになりやすい
被相続人(亡くなった人)名義の預金は、誰が見ても相続財産ですから申告漏れになるということは考えにくいです。
問題は「家族名義の預金だけど本当は被相続人の預金」である場合です。
たとえば生前に子や孫の名義で預金してあったもので、お金の出処は被相続人というものです。
「生前にもらったもの」という言い訳をしても、贈与税の申告はしているか?預金の管理は誰が行っているか?名義人は自分の預金と認識しているのか?など細かい事を調査されます。
更には銀行との対応は誰が行っていたのか?銀行は誰の預金として認識していたのか?などなど銀行側へ調査を行う場合もあります。
名義預金の判断ポイント
ポイントは、預金の原資と管理の状況ということになります。
職業や年齢のわりには多額の預金がある、となると預金の原資は?という疑問が出てきます。
そして印鑑の保管や入出金の手続きを誰が行っていたか?ということを調査するわけですね。
亡くなる数年前のお金の出入りを調べたら、家族名義の預金になっていた・・・というパターンが多いのではないでしょうか。
名義預金はラッキーではない
「奇貨」という言葉をご存知でしょうか?
思いがけない利益が得られる機会、とされています。
名義預金であったことを奇貨として相続財産から除外し、隠ぺいした・・・と重加算税の理由にされないよう名義預金もきちんと申告しましょう。