経産省、キャッシュレス化推進
沖縄県那覇市の税理士、渡嘉敷です。
経済産業省は、クレジットカードや電子マネーなどを支払いに使う「キャッシュレス化」の推進に向けた提言をまとめたそうです。
現在、支払いにおけるキャッシュレスは約20%にとどまっているので、これを80%まで引き上げることを目指すとか。
なぜキャッシュレスか?
その目的としては、省力化して人手不足に対応するとか、支払いデータ(ビッグデータ)の活用、さらには不透明な現金流通の抑止、となっています。
(現金は足あとがつかないので脱税やマネーロンダリングでは定番になってます。)
しかし、今でもキャッシュレスの環境は十分に整っていますよね。
スーパーではクレジットカードを使ってサインなしで買い物できるし、プリペイドカードも欲しければすぐに手に入ります。チャージも簡単。
なのに何故キャッシュレスが普及しないのか?
経産省は、治安の良さや現金への信頼性の高さ、レジなど現金を素早く処理できるシステム、ATMがいたるところにあり現金の引出しが容易である点を指摘しています。
確かに現金でも不自由ない生活環境ですが、かえってキャッシュレス化の阻害要因になっているようですね。
では、キャッシュレス化を推進するにはどうするか?
お店側の問題・・・小規模店舗への決済機器導入のコストや手数料の負担をどう軽減するか?
消費者の問題・・・現金志向の消費者に対してはどのようなメリットを提供できるか?
現状は、現金での商売や買い物に不自由していないので、あえてキャッシュレス化する人は少ないでしょう。
現金取引は損するとか、キャッシュレスは得するとか、そういう仕組みを作っていく必要があるように思います。
ここまで書いてて、e-Taxの推進と似ているな・・・と感じました。
「e-Taxは便利!」と言っても紙提出と税額は同じだし、新しい事に挑戦する時間もないし・・・ということで紙提出する納税者や税理士もまだまだ多いです。
しかし、平成30年の税制改正でe-Taxのメリットを打ち出してきました。
青色申告特別控除の控除額を、65 万円 → 55万円に引き下げるのですが、e-Taxで申告すれば65万円控除を維持できます。
アメとムチ、というと言い過ぎでしょうか?取り上げておいて「言うこと聞けば返すよ」みたいな感じですね。
キャッシュレス化もこれと似たようなアメをあげる政策を行わないとなかなか進まないのではないか、と思うのでした。