小規模企業共済制度を活用して節税しよう
税理士をしていると「節税方法おしえてください」とよく聞かれます。
節税といっても、魔法のような秘密のスキームがあるわけでもなく一般的に知られたものが多いのですが、その中でも意外に知らない人が多い「小規模企業共済」について説明したいと思います。
小規模企業共済制度とは?
小規模な企業(法人・個人)の経営者などが、退職・廃業したときなどのためにお金を積み立てられる共済制度です。
50年の歴史があって、約166万人が加入しているそうです。
独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が、法律(小規模企業共済法)に基づいて行っているため、安心・安全です。
小規模企業共済制度に加入できる要件
小規模企業の経営者等であれば加入資格を満たしています。
中小機構のwebサイトには加入資格6項目が掲載されています。
1.建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
2.商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
3.事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
4.常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
5.常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
6.上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)
小規模企業共済制度に加入するには?
まず、「契約申込書」に必要事項を記入し、中小機構の業務を取り扱っている委託団体や銀行などの窓口に提出します。
(商工会議所、商工会、青色申告会など)
添付書類として、所得税の確定申告書の控え(個人)、商業登記簿謄本(法人)を提出する必要があります。
その後、審査を経て問題なければ「共済手帳」が送られてきます。
詳細はこちら
小規模企業共済制度の節税効果は?
問題の節税効果ですが、大きく分けて2つあります。
1.共済の掛金は全額所得控除
単純にすると「支払った額✕税率」の節税効果が得られます。
月額1,000円~7万円の範囲で自分にあった金額を設定し、節税に役立てることができます。
2.受け取る時は退職金又は公的年金の扱いとなる
共済金を受け取る時、一括受取の場合は退職所得となり、退職所得控除などの控除制度の適用が受けられます。
分割受取の場合は公的年金等の雑所得扱いとなります。
受け取る時も節税になるわけですね。
まとめ
払ったときは全額所得控除になり、受け取った時も控除があるという美味しい制度です。
また、貸付制度もあるので資金繰りが苦しくなった時にも助けてくれるかもしれません。
長期で地味な節税ですが、なかなか軽視できない制度だと思います。