沖縄県那覇市の税理士、渡嘉敷です。

支払調書って何？

支払調書とは、事業者が個人事業者などに報酬を支払った時に発行する、報酬額と源泉徴収税額が記載された書類です。
報酬を受けた個人事業者は、1月～2月くらいに前年に取引した事業者から支払調書が届き、それを基に確定申告書を作成しているのではないでしょうか。
ですので、支払調書は確定申告の際に必須だと思われがちですが、実はそうではありません。

支払調書は支払先への提出義務はない

支払調書は、税務署へ報告するための書類なのです。支払いを行った事業者側が税務署には提出するのですが、支払い先相手の個人事業者に提出することは義務づけられていません。
しかし、実際には支払った相手先にも送っているますね。これは慣習でそうしているだけで、そうしなければならない義務はないのです。

支払調書がなくても確定申告は大丈夫

支払調書を支払い先に提出しなくてもいいので、支払いを受けた側が支払調書を税務署に提出する義務もないわけでして、支払調書がなくても確定申告は問題ありません。
支払を受けた（源泉徴収された）報酬について、確定申告書にその詳細（取引先名、金額、源泉徴収税額）を記入するだけで大丈夫です。

源泉所得税額を把握しておこう

しかし、そうは言っても受け取った報酬の源泉所得税額がいくらだったか？ということを把握していない個人事業者も多いです。そうなると、支払調書が届かないと確定申告を作成できませんね。
支払調書が届いても届かなくても確定申告できるように、日頃から報酬の対価、消費税額、源泉所得税額などを把握しておきましょう。

また、マイナンバー制度がスタートしていますので、報酬の支払者からマイナンバーの提供を求められると思います。
「えーと、よく分からないなぁ。」では相手も困ってしまいますので、マイナンバーカードや、通知カードなどをしっかり準備しておきましょう。